月夜に霞む


直線を歩くこの足はとても滑稽だろう
先も分からぬ場所へ行く恐怖
止まれば後ろに火をつけられる
逃げ出せない道 左右が羨ましく憎らしい
見上げた月はこの苦痛を忘れる程の美しさ
朝は太陽に酔いしれ 夜は月に酔う
窮地にいて ただそれだけで良いのに と気付く
やっと何にも変え難いものを見つけた
何年 何度生をもらい気付いたのか
これが人が必ず持つ罪なのだろうか
赤い満月の夜に浮かべた笹舟はもう還ってはこないのだろうか
何処へ行った? 何処へ逝った?
追いかけることなど できるはずが無かった
見知らぬ場所へ辿り着くだけなのだから
追いかければ良かった
この足が自由に動けるうちに



(何時赦されるのだろうか?)




2007.07.29 アヤメ