不自然な存在は誰だ?





あらあら、聞いてくださいますか?良いこと良いこと。 これからのお話は全部実話でございます。 それでいて、真実がなかったりもします。 興味がおありですか?意味が分からない? それはそれは、不思議な話ですから意味も分からないでしょう。 そして今から話すのはその内容。 前置きよりも不可思議な話なのであまり深く考えないで下さいね。 聞いた後のことは知りませぬ。


赤い着物の女と青い着物の男がおりました。 そう、赤の女に青の男。 なんだか独立してそうな雰囲気でしょう? いえいえ、赤は青に依存しております。 それはそれはもう寄生虫のように。 四六時中、愛を欲しがるのでございます。 幸せさえあれば家も金もいらない、そんな女でございますから。 勿論、男は困るのでございます。 この世の中、何年一人に夢中になれると思いますか? 何人の男女がいるかも分からない。 そりゃあ取替えも早いわけですよ。 甲斐性なしと付き合えば勇ましい人が輝くしく見え、 煩わしいのと共にすれば静かな人が美しく見えるのです。 男は仕事を口実に、姿を消します。 女は信じて待ち続けるのです。 待つ女、なんて儚いのでしょうか。 ただでさえしつこい女、そろそろ怨霊に、とは冗談でございます。 男は黄の女に出会いました。 赤とは違い、控えめな女性であります。 それはそれはもう魅力的に感じるのです。 赤が鬼と化しているとも知らずに。 そして滑稽なことに、青は赤に殺められたにも関わらず 「愛している」と呟いたそうです。 それでは黄は遊ばれていたのでしょうか? いえいえ、この二人、随分と前から仲睦まじかったそうなのです。

青の本当の心は?
黄の存在とは?
赤の願いとは?





さて、誰も生きていない以上、真実は藪の中。 何故私がこれを知っているかって?それは私が…。 ああ、今日はこの辺りで失礼します。




真実、分かりますか?






一番滑稽な存在は一体誰?





2009.08.04 
「あの花は 君の赤私の紅誰かの色」のお話。