舞うことは叶わぬ



何が灰は拾う、だ。
何一つ守れないこの手で掴めるものなんてねぇですよ。
天国とか地獄とかそンな場所どうでもええんでさァ。
この地じゃない場所なんて興味ねェですよ。
別にこの地が好きなワケじゃあねぇです。
ここしか知らんのですから他はどうも言えません。


「なんて顔してるんですか…」
「アンタがさせてるんでさァ」
「ほら星空がとっても綺麗、ねぇ今なら星、掴めるでしょうか?」
「……掴めますよ。掴めねェわけねぇじゃねーですか」
「星の光は温かいのかな…」
「きっと温かいでさァ。さ、掴みに行きましょうや?」
「うん、でもね…少し眠いの。ごめんなさい少し…疲れた…かな」
「アンタが目覚める頃にゃ朝になっちゃいます。起きてて下さいよ」
「……ごめんね?」
「何謝ってるンですか」




静かに微笑み紡いだ言葉と共に閉じられた瞳。
その寝顔はとてもとても美しくて。服についた赤は少しずつ黒くなる。


俺も幸せでしたよアンタとの日々。
この先も続けばって願ってやんした。






灰を拾うなんざ死が予測できてない愚か者の台詞でやンした。